「あれ、 TOEICってこんなに難しかったっけ?」

久々にTOEICを受験されたという方々から、 こんな声が多く聞かれます。 実は、 その感覚間違ってません。

TOEICは刻々と変化しています。

そして、 それは多くの人にとって、 「難しくなった」 と感じられるものです。 今回は最新のTOEICの傾向と対策についてお話します。

最後には難化し続けるTOEICの学習におすすめの教材もご紹介しますのでご期待ください。

TOEIC、 そもそも何で難しくなるの?

まず、 TOEICはなぜ難しくなったと言われるのでしょう。 TOEICの運営団体であるETS、 および日本でTOEICを実施・運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)は問題の難化について公式にコメントを発しているわけではありません。 難しくなった、 というのはあくまで受験者の主観によるものです。

しかしながら、 TOEICの出題傾向が変化しているのは間違いありません。

結論から言って、 TOEICの出題傾向が変わっている理由は、 テストの品質を保つためだと分析しています。

そしてその背景には主に次の3つの要素があると考えます。

  1. 受験者の固定化
  2. 情報量の増加
  3. 受験者の慣れ

まず、 「受験者の固定化」 についてお話します。

日本でTOEICを実施・運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が2022年5月に発表した、 2017年から2021年までのTOEIC Listening & Reading Test の受験者数の推移(IPテスト含む) を見てみましょう。

出典:国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)公式ウェブサイト https://www.iibc-global.org/iibc/press/2022/p192.html

2020年はコロナウイルス感染症対策による試験の中止・抽選制導入の影響による落ち込みが特に激しい年でしたが、 それを除いた年を見ても2017年の2,481,000人を頂点に、 トータルの受験者数は伸び悩んでいるように見えます。

このデータからは何とも言えませんが、 受験者が頭打ちであることから複数回TOEICを受ける受験者が割合の一定数を占めていることは容易に想像がつきます。 そして、 こうしたリピート受験者は初めてTOEICを受ける受験者よりもTOEICについて多くの知識を備えています。

次に 「情報量の増加」について。
本屋に行けばTOEICの教本が山積みになり、 YouTubeをはじめSNSでも容易にTOEICに関する情報を得ることができます。 それらの教材や情報の多くは「いかにTOEICに対策するか」を念頭にした解き方・テクニックを解説したものであり、 誰もが簡単にアクセスできます。

このように、 TOEICの知識を備えたリピート受験者がどんどん増えていること、 TOEICに関する情報がますます増えて対策が立てやすくなっていること、 この2つの要因により、受験者はある意味「TOEICに慣れて」しまっているのです。

もし問題形式が一定であり続ければ、 安易なテクニックに依存した高得点者が続出し、 英語力を正確に測るための試験であるというTOEICの本来の意義を失ってしまうことになりかねません。

だからこそ、 TOEICは受験者の想定していない問題形式を取り入れることで、 受験者の本来の英語力を測るテストとしての品質確保を図っていると考えられます。 「対策されることに対策している」と言えるかもしれません。

以上はあくまで私見に基づく推論ですが、 TOEICが変化しているということは紛れもない事実です。 そして、その流れはこれからも変わらないでしょう。

【変化するTOEIC】 最新の傾向と対策

では、 実際TOEICはどのように変わっているのでしょうか。 2023年の7月時点で、 数年前と比較しても明らかに使用される語彙の難易度の向上、 場面の想像しずらい問題の出題(Part3-4)、 時代を反映した新単語(IT用語など)が登場するなどの変化が見られます。

では、 刻々と難しくなるTOEICに私たちはどう対応すべきでしょうか。

答えは一つ。 私たちもTOEIC以上のスピードで自分をアップデートするしかありません。 今私たちに必要なのはこれまでの学習範囲から外れた、 プラスアルファの学習なのです。

例えば、 中級者の方でもTOEICの上級問題集にあえてチャレンジしてみる、 あるいは英語の時事ニュースを目にする時間を増やすなど、 これまでTOEICのために勉強してきた範囲からわざと外れた内容に学習の範囲を少し拡大してみてはいかがでしょうか。

「TOEICの点数を伸ばしたいのに、 余計な時間を取られるだけじゃないか!」 と思われる方もいらっしゃるかもしれません。 ですが、 TOEICの出題範囲が拡大しているのは事実。 であれば、 私たちも同じように、 英語に触れる範囲を大きくすべきです。

更に、 身につけた知識はTOEICだけではなく実際に英語を活用する場面でも役立ちます。 一見遠回りのように感じられるかもしれませんが、その努力は決して無駄にはならないということを断言します。 TOEICの外に広がる広大な世界に足を踏み出しましょう。

【最後に】 まとめ & 難化するTOEICに対応するためのおすすめ教材

これまで述べてきたことをまとめます。

  • 受験者の習熟度に合わせ、 TOEICは刻々と変化している (扱う内容が拡大している)。
  • TOEICだけの学習に終始せず、 これまで以上に広範囲の英語を学ぶことが求められている。

では、 具体的にどうやって変化するTOEICに対応していけばいいのでしょうか。
そこで初級者から上級者までレベル別に、 おすすめしたい教材をご紹介します。 どうぞ参考にしてみてください。

特におすすめは以前もご紹介した CNN ENGLISH EXPRESS。 人によっては難しいと敬遠されるかもしれませんが、 前半の基礎固めの部分を活用するだけでも十分に効果がありますので、 レベルを問わず一度は試して欲しい教材です。

TOEIC~600点 初級者の方向け

公式TOEIC Listening & Reading 問題集 10
TOEIC初心者には、 まず最初に味わい尽くして欲しい教材。 「まだやったことない!」 という方が意外に多くいらっしゃるので、ご紹介します。 公式問題集の一番のメリットは何と言っても 「本番に一番近い」 教材であるということ。 特にリスニングでは本番と同じスピーカーの音声が収録されているので、 実際のリスニングテストと同じクオリティで学習できます。 2023年10月現在で問題集は10まで刊行されていますが、 TOEICの最新の傾向を知るためにも、 常に一番新しいものを手にすることをおすすめします。

TOEIC600点~ 中級者以上の方向け

CNN ENGLISH EXPRESS 朝日新聞社
過去の記事でもご紹介した、 CNNの実際のニュースやインタビュー音声をスクリプトを交えて学習できる月刊誌。 世界各国の多岐に渡るテーマを取り扱っており、 時事ニュースの知識を取り入れながら単語や表現を学ぶことができます。 また、 アメリカ英語やイギリス英語だけでなくバラエティに富んだアクセントが聴けるため、リスニング教材としても最適。 実際のニュースを取り扱っているため語彙レベルはかなり高いですが、 レベル別に構成されているため、 初級者から上級者まで役に立つこと間違いなしです。

【音声DL付き】CNN ENGLISH EXPRESS 2023年 11月号

TOEIC730点~ 中・上級者の方向け

TOEIC L&R TEST 990点獲得 Part 1-4 難問模試 [音声DL付] 
TOEIC L&R TEST 990点獲得 Part 5 & 6 難問模試 [音声DL付]
TOEIC L&R TEST 990点獲得 最強Part7模試 [音声DL付]

「いや、990点なんて目指さないから必要ないよ!」 という声が聞こえてきそうですが、 実にもったいない!
中級者以上の方は、 一度はこのレベルの高難易度問題集に取り組んでおいて損はないと断言します。
最新のTOEICの傾向を反映し、 その中でも正答率の低い高難易度問題がこれでもかと散りばめられたこちらのテキスト。 TOEICが難しくなったと感じていらっしゃる方、 続けてTOEICを受験しているものの点数が伸び悩んでいるという方には特に多くの気づきを与えてくれることでしょう。 じっくり腰を据えて何度も取り組んで欲しい問題集です。

TOEIC L&R TEST 990点獲得 Part 1-4 難問模試 [音声DL付] 

TOEIC L&R TEST 990点獲得 Part 5 & 6 難問模試 [音声DL付]

TOEIC L&R TEST 990点獲得 最強Part7模試 [音声DL付]