英検受験を考えている方には驚きのニュース。
英検の2024年度第1回検定から問題形式に変更が加えられることになりました。 主な変更点は一級から三級までのライティング問題が増加することです。

2024年第1回検定以降の変更点についてはこちら ↓

詳しくは英検公式ウェブサイトをご確認を!
https://www.eiken.or.jp/eiken/info/2023/pdf/20230706_info_eiken.pdf

今回の記事では、 新しいライティング問題を解きながら、 その攻略法を解説します。 きっと参考になることと思います。 それではいきましょう!

新ライティング問題に求められる能力とは?

では早速、 新形式のライティング問題を見てみましょう。 ここでは英検公式ウェブサイトに掲載されている準一級の例を元に解説してきます。

英検公式ウェブサイト(https://www.eiken.or.jp/eiken/info/2023/pdf/20230706_info_eiken.pdf)より抜粋

一級、準一級、 二級で追加となる問題は 「英文記事を読み、 可能な限り自分の言葉を用い、 規定語数で要約せよ」 という内容です。 ここで求められているのは英文記事から要旨を掴む読解力、そしてそれを簡潔に、自分の言葉に落とし込む表現の2つです。

要約するときの目安として、 どの級でも1つの段落を2文程度にまとめるくらいの感覚でちょうどいいのではないかと思います (今回例として取り上げる準一級では60-70語が目安とされています。 1つの作文を約10語程度と想定し、 それぞれの段落を2文ずつ、 計6-7文にまとめるイメージです)。

具体的な攻略法は、 ずばりこの2つ。

  • 【パラグラフリーディング】 段落ごとの文意を理解する。
  • 【パラフレーズ】 自分の言葉で言い換え、 まとめる。

それでは、 一つずつ紐解いていきたいと思います。

1. 【パラグラフリーディング】 段落ごとの文意を理解する。

問題を攻略する上でまず最初に行うことは、 パラグラフリーディング。 長文を段落ごとのかたまりで捉えて、 全体の流れを読み取る手法です。 ここで一つ、 リーディングの大事な原則をお伝えしたいと思います。

それは、 英語の文章では “一つのパラグラフに主張(メインのアイディア)は一つ” ということ。

それぞれのパラグラフは軸となる文章であるトピックセンテンスが一つ、 そしてそれを支えるサポートセンテンスで構成されています。 要約するときはトピックセンテンスで述べられている内容を中心に作文していくことになるため、 このトピックセンテンスの抜き出しはとても重要です。 何より、 トピックセンテンスを意識することで、 段落ごとの話の流れをより鮮明に捉えることができるようになります。

「この段落はトピックに対する賛成意見、 次の段落は反対意見・・・」 というように、 段落の役割が明確になることで、 全体の理解も深まるわけです。 要約の問題であるかどうかに関わらず、 トピックセンテンスは常に意識しながら読み進めましょう。

それでは、 実際に各段落からトピックセンテンスを抜き出していきます。

要はその段落の中で一番大事な文を見つけるわけですが、 最初はなかなか見つけるのが難しいかもしれません。 一応お伝えしておきますと、 トピックセンテンスは段落の初文に置かれることが多いです (自分で作文するときも、 段落の初文に大事な主張を持ってくるのが断然おすすめです) 。 とはいえ、 この法則が全ての文章題に当てはまるわけではありませんので、 トピックセンテンスの抜き出しは 「その段落で大事そうな文章をピックアップしよう」 くらいの気持ちで行ってもらえば大丈夫です!

例題のトピックセンテンスを抜き出してみたものが次です。 段落ごとに色分けしてあります。 ちょっと見てみましょう。

(1段落:赤、 2段落:青、 3段落:緑)


ざっとこんな感じでしょうか。 このようにトピックセンテンスを見つけると、 各段落の役割が明らかになります。

トピックセンテンスの選択に正しい / 間違いはありません。 重要なのは、 各段落の主張を明確に捉えること。 ここで明らかになった各段落の主張は以下の通りです。

1段落目: イギリスの国営博物館が国策で無料になった。 (記事全体のテーマ)
2段落目: 政策により博物館への訪問者が増え、 多大な利益がもたらされると期待された。 (政策のメリット)
3段落目: 政策の導入により博物館への訪問者は増えたが、 必ずしも成功とは言えなかった。 (政策のデメリット)

段落ごとの主張が分かると、 文章の全体像がはっきりしてきますね。

全体の文章の流れが取れたところで、 次はいよいよ自分の言葉でまとめに入ります。

2. 【パラフレーズ】 自分の言葉で言い換え、 まとめる。

全体の流れがはっきりしたら、 次はそれぞれの段落の文意をつなぎ合わせます。

ここで大事になる考え方は 「別の言葉で言い換える」 ことです。

別の言葉で言い換えることは 「パラフレーズ」 と呼ばれます。 要約の問題なのに、 本文の内容をそのまま解答用紙に写すわけにはいきませんよね。 そこでパラフレーズの出番です。 トピックセンテンスの内容をベースに、 サポートセンテンスの要素も加えつつ、 自分の言葉で言い換えていきます。 パラフレーズがスラスラ出てくるようにするためにも、 普段から同意語を意識して覚えたり、 言い換えを練習して慣れておきましょう。

では、 ここからは英語で仕上げていきます。 トピックセンテンスを中心に、 サポートセンテンスの要素を含めながら、 出来る限り言い換えを意識して書き進めます。 最初はあれもこれもと詰め込みすぎて語数オーバー、 なんて事態に陥りがちですが、 別に気にしなくていいです。 書けば書くほど上手くなりますから。

試しに例題を要約したものがこちらです。

Although British government had charged fees on entrance to their national museums from the 1980s until the early 2000s, they eventually made it free of charge.
Supporters believed that the new policy would give more people opportunity to enjoy visiting national museums.
The introduction of the rule dramatically increased the number of visitors to national museums. However, there was also criticism that the policy caused some independent museums financial damage.   (70語)

それぞれの段落のトピックセンテンスを軸にサポートセンテンスの要素で肉付けしています。 パラフレーズのコツとして、 policy の代わりに rule を用いるなどの単語の言い換えのほか、 原文の目的語を主語にして作文するなど、 文の成分を入れ替えてみるのもおすすめです。 やればやるほど自分のスタイルが築けてきますし、 要約力がメキメキついてきますので、 いろいろ試してみましょう。

まとめ

今回のまとめです。 英検に新しく追加された要約問題の解き方について解説してきました。 効率的に解くには次の2ステップを踏むことをおすすめします。

  • 【パラグラフリーディング】 段落ごとの文意を理解する。
  • 【パラフレーズ】 自分の言葉で言い換え、 まとめる。

まずパラグラフリーディングでトピックセンテンスを抜き出し、 段落ごとの文意を読み取りましょう。
次に、 抜き出したトピックセンテンスをその他のサポートセンテンスの要素で肉付けしつつ、 自分の言葉で言い換えます。

練習のときのアドバイスとしては、 語数や時間を気にしすぎない方がいいです。 要約に大切なのは慣れること。 2ステップを意識さえしていれば、 やればやるほど上達します。 さらに、要約が上手になるとコミュニケーション力もアップします。 なぜなら、 コミュニケーションは相手の伝えることを正しく理解し、 自分の意見を簡潔にまとめる力が必須だからです。 英語力だけでなくコミュニケーション力もアップする。 要約はまさに理想的な英語のトレーニングと言えるでしょう。

皆さんも英検の学習を通して英語力とコミュニケーション力を鍛えていきましょうね。 それではまた次の記事でお会いしましょう!

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